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名ばかり管理職とはなんぞや!!

名ばかり管理職とはなんぞや!!

川乃 もりや

とあるところで、とあるコンビニのオーナーをしている、「川乃 もりや」です。事情により、匿名です。とあるコンビニの元社員が仕事や感じたことを、時にはコンビニの内情のあれこれをブログにしちゃいます。みなさんお付き合い下さい。

当ブログ「とあるコンビニオーナーの経営談議」は、2015年4月6日から新しいURL「​http://blogs.itmedia.co.jp/kawarimonoya/」 に移動しました。引き続きご愛読ください。


以前、サービス残業についてちょっと触れたが、一部業界では大きな問題として上げられる
「名ばかり管理職」について書いてみよう。

と、いうのもサラリーマン時代は私も「名ばかり管理職」を、やっていました。
いや、やらされていました。と、いうより「名ばかり管理職」という概念すら無かったと、言った方がいいでしょう。コンビニ業界に入る前に、飲食店業界で店長をやっていたのですが、酷い時は、月360hという労働をしていた時もあります。

以下は、私なりに「名ばかり管理職」をやり、見てきた経験から分析してみます。

では、この「名ばかり管理職」何故、生まれてきたのでしょう。
まず、最初の要因となったのは、年功序列型の人事制度とピラミッド型組織体制です。ただし、人事制度や組織体制などは、時代によって変わるものですから、どの制度が良いとは言い切れません。ただ、「名ばかり管理職」が生まれた引き金に関与していると、考えています。

私の飲食店時代の話ですが、通常店には店長、副店長、社員、アルバイトと勤務しています。私が入社したての時もそんな、ピラミッド型組織でした。しかし、時代はバブル期、新入社員は沢山入ってきますので、徐々に上へ糞詰まり状態になってきました。そこに、年功序列型が絡んできたのです。今までの店長を出世させるにも、席がありません。そこで、捻り出した役職が「上級店長」。なんじゃそりゃ???

「店長を昇格させるのに、上の役職が人で埋まっている為、新たに役職を作ってみました」ということで、店には、上級店長、店長、副店長、社員、アルバイトという新たなるピラミッド体型が生まれたのです。いや、崩れそうなピラミッドと言った方がいいかもしれません。店長以上が管理職ですから、管理職が増えたことになります。ところが、仕事は今までと変わりませんから、ここにめでたく?「名ばかり店長」=「名ばかり管理職」が、誕生したのです。

彼らは、経験も浅いですから店長として必要な知識や経験の無いまま、管理職という役職に押し出されていますから、権限を移譲されてはいません。残業代が無くなっただけなのです。それでも、世は好景気。中には、役職をもらえたという喜びだけで、仕事のモチベーションを上げていた人もいたことでしょう。※この「上級〇〇」って役職クセモノですよ。私の個人経験では、「上級〇〇」って役職を作っている会社の人事制度は崩壊しかけています。あなたの会社には無いですよねぇ「上級〇〇」

時代は進み、バブルの崩壊。途端にリストラ。分かりますね、上級店長(店長)を中心にリストラされたのです。それと合わせて人件費の低いアルバイト中心への店作りへと、変化を余儀なくされたのです。もちろん、店長はいますが、権限委譲は相変わらず行われていません。
「名ばかり店長」の成熟期と言えるでしょう。
会社は、気が付いたのです。「権限を与えると、金を無駄遣いしやがるから、権限は与えずに『店長』にしておこう。それでも、店は廻っているじゃないか」と、おまけに、「『管理職』にしておけば、残業代支払わないで済むじゃないか」とね。

管理職が残業代をもらえないのであれば、勤務時間を縛るのはオカシイのです。管理職を、部署なり店なりを管理するという意味で、管理職とするならば、管理さえ出来ていれば労働時間を拘束するのは間違いです。「管理が出来ていれば労働時間1hでもイイよ!そのかわり管理出来なければ24hでも働いてね!」位にした方がスッキリします。
本来、役職を与えるということは、同時に権限を与えるということなのに、権限を与えず、役職だけ与えているから、オカシイことになるのです。まぁそうすることが、会社にとって都合が良かったからなんですけどね。

この問題が、公になり今では各会社も、「名ばかり管理職」を無くす方向に動いているのでしょうが、問題は残業代を払えばイイじゃ済まないような気がします。会社の上役が、労働を「質」では無く「量」として捉えている限り、「名ばかり管理職」問題は別の形で吹き出してくるでしょう。

実は、この「名ばかり管理職」以外にも、ある「言い訳」を使って長時間労働させている業種があります。それは、次回のお話で!