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牛丼戦争 パート2

»2014年12月10日
元局アナの「特ダネ?」

牛丼戦争 パート2

山森 貴司

早稲田大学商学部卒 元Jスポーツアナウンサー、元群馬テレビアナウンサー兼記者。テレビ番組プロデューサー、たばこ広報団体事務局長、エネルギー広報団体、不動産会社広報PRを経て、PR会社勤務

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私が前回のブログを発表した次の日に吉野家が、牛丼を380円にすることを発表しました。
これで、すき家のみが280円となり、吉野家と松屋は380円で並んだわけです。
外野としては、さあ、これからどうなるんだろうと非常に興味深い状況になりました。

今回吉野家の値上げの原因は、円安による材料高騰の為です。
その点では、すき家も追従するだろうと私は予想します。
380円、それでも安いですよね。庶民の味方です。ここで、牛丼戦争はどこが生き残るのか考えてみましょう。

①吉野家の圧倒的ブランド力
ブランディングの概念からすると、吉野家というブランド自体が利益を生みます。
松屋、すき家は安いけど、やはり吉野家は好きだという人はかなり多い。
マクドナルドや他のファーストフードに流れる心配があまりないため、吉野家の減益は無いと予想します。

②ではすき家はどうか?
価格破壊でこれまで勝ち残ってきたすき家ですが、ワンオペ問題で、百店舗単位の閉鎖を余儀なくされています。
元々薄利多売のこの商売、営業時間の短縮もありますし、すき家にとっては非常に痛い。
すき家も値上げをするのでしょうが、必ず吉野家よりは下げてきます。その点で、減益は最小限にとどまり、再び堅調になると予想します。

③前回私が脱落すると予想した松屋は?
松屋にとっては吉野家が自社の牛丼と同価格になり、ほっとしている面もあるでしょう。
しかし、既に値上げを実行した松屋にとって、これ以上は上げられないというジレンマが生じます。
また、業界の老舗である吉野家が値上げに踏み切ったことで、消費者には、吉野家の牛丼が380円でも食べられなくなるかも、という不安が生じます。その分松屋はそこまでのブランドはないので苦しい。

④生き残りの一手は?
吉野家は既に、都内で「よし飲み」という二階の店舗を居酒屋形態にするサービスを開始しました。
これには、すき家も松屋も現時点では追随できていません。
業界トップ、何度も浮き沈みを経験した吉野家は、様々な手を打ってあるのです。

結論としては、吉野家の一人勝ちということになるでしょう。
あくまで個人の意見なので、あたらなくても責めないでくださいね!