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3タブレット運用、その意外な利点
»2013年6月30日
力重の「ブレインストーミング考」
3タブレット運用、その意外な利点
アイデアプラント 代表。著書に『アイデア・スイッチ』。専門領域は「創造工学」。クリエイティブ・リーダを助ける道具を作っています。
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筆者の机の上には、3つのタブレットがある。
コンテンツを見るような、インプット系の作業
それらを夜間電力の間に充電しておき、仕事中は電源コードをつながずに乗り切れるかを試してみた。
すると運用によっては乗り切れることに気が付いた。そしてこの運用には、思わぬ利点もあった。
まず、運用について述べたい。
3タブレットの運用
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メイン作業
ThinkPad X220 Tabletを使う。(※タブレット、とは表現したものの、正確に言えば、PCである)これで、スライドを作ったり、写真を編集したり、ファイルに入力をしたり、プリントアウトをしたり、ちょっと込み入ったWEB上での作業をしたりする作業だ。高負荷な処理のいる作業を、4時間できる。
コンテンツを見るような、インプット系の作業
iPad Retinaディスプレイモデルを使う。
具体的には、電子書籍を閲覧したり、PDFファイルの学術論文のを読んだり、資料となる動画を見るような作業だ。これは、映画を2本立て続けに見るようなことでもしない限り、6時間ぐらいもつ。
仕事柄、Kindleの漫画作品も大量に読む。Kindleのアプリで漫画を読むには、紙面の縦横に近い方が見やすいのでiPadを使っている。
また、以前、本棚2台を全て空にするべく一部を除いてほとんど裁断・スキャンしまった本を、さっと参照したい時にもiPadを使っている。きれいで、動作も早いからだ。
(なお、読まずに自炊してしまった本の読書に関しては、REGZA Tabletを使っている。前のレビューを参照いただきたい。)
クリエイティブ・ワーク(特にアイデア・ワーク)系の作業
REGZA Tablet AT703を使う。手書きのデジタルメモをつかって、一人ブレストをして、アイデアメモを書いたり、ラフな図案を書いたりする。手書きメモをひたすら使うような電力消費の激しい使い方をしても、4時間はできる。(省エネ設定もスリープ設定もはずして、つねに煌々と画面を光らせておく設定にて。)なお、付属のBluetoothのKeyboardは、予想以上にしっかりしておりタイピングしやすい。タイピングの感覚は、メイン機にくらべわずかに表示テンポ遅く感じるが、考えながら文章をうつならば充分なレスポンスだ。(1テンポ遅い、というほどではないので、余りせっかちでない人なら、遅れを感じないレベルだろう。)没頭して文章を書き出すような作業なら、メイン機よりこっちの方が画面表示がきれいだし、アプリの画面がシンプルなので注意がそがれない。筆者の感覚で言うと、ポメラに、Retinaディスプレイを付けたような作業環境感だ。先述の通り、自炊した書籍の閲覧にもこれを使っている。
これらの仕事時間の合計は、4+6+4=14時間分だ。
実際は、人間の方がこんなにフルに連続して作業はできないので高負荷処理をここまで連続してはあたえることはない。省電力モードなどを使えば、ゆうに30%ぐらい稼働時間が伸びる。つまり、18時間分だ。
一日のうち、人間は眠っている時間や日常生活に必要な時間は最低6時間はあるので、平均的な日ならこれ以上の稼働時間は不要だ。仕事を終えて寝る前に電源コードを挿しておけば、翌朝からまたバッテリーだけで仕事ができる。
実際、一日中デスクワークの日に、マシンの負荷が高めの仕事を続けながら、この運用を試してみたが、朝7時から夜10時の15時間(※)の間に全機器のバッテリーが尽きてしまうことはなかった。
※ 途中で朝・昼・晩ご飯をたべたので合計2時間ほど機器はスリープタイムがある。実挿稼働時間は13時間である。
とはいえ、また別の日には、PCの電源が完全に切れてしまった後に、急ぎの書類作成が必要になる、などの事態が起こった。その結果、電源コードにつなぎ起動させることになった。いつでもできるわけでもない運用方法であることも、きちんと述べておきたい。特に締め切り前や、書類スキャンやプリントアウトが多いような日は結構難しいだろう。
小まとめ
・インプット系作業、発散系作業(草稿を書く)という作業はタブレットの出番だ。
・収束系作業(文章を編集する、WEB上で細かい作業をする、多様な書類を作る)という作業は、PCがいい。
・一日の仕事はそれらがブレンドされている。平均的な仕事量の日であれば、3タブレットで電源コードレスで一日をしのぐことは可能。
意外な利点
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この運用には良い点が2つあった。
■ 一つ目の利点は、机の上が予想以上にスッキリすること。
なにせ電源ケーブルが一つもない。
実際の様子はこうだ。
左手奥は、旅仕事用のスーツケースなのだが、その上に充電機器類をおいて、日中は布をかけてある。
仕事では、紙でもらう資料も多く、商品発想の着想源として小物もたくさんいるので机の上は割といつも込み合っている。何より、自分が制作中の作品の試作物が次々机を埋めていく。
そういう中でケーブル類が1つもない、というのは、とても気持ちがいい。この運用以前は、3台分の電源コードと、カメラやらのケーブル類もあって、書類の絡まったスパゲッティ―のような状態だったので特にそう感じる。
■ 二つ目の利点は、部屋が熱くならないこと。
電源の発する熱は冬はいい。が、夏になるときつい。何台もの電源ボックスが一生懸命稼働していることで、「うわー、部屋の中でもこのあたりだけ特にムッと暑い」と感じていた。
それがこの運用を始めてからは、幾分涼やかに感じる。利点その1からくる、心理的な影響もあるだろうが、それを差っ引いても、改善した。特に、一度机を離れて用を足して戻った時に感じる。
タブレットやPCがたくさんある人で、仕事スタイルがこういう運用を許す人はぜひ一度試してみてほしい。他にも利点が発見できるかもしれない。
なお、バッテリーの残量が減っていく中で仕事をすることで、集中に入るのが早くなり、仕事の効率も少し上がった気がする。しかしこれは客観性が更に低いので"三つ目の利点"としてまで表現することはやめておいた。筆者は思うのだが、バッテリー残量というのは、仕事可能時間の可視化でもある。バッテリーというのは仕事術において、もっと多様な良い要素を含むように思う。少なくとも、4時間しかないPC利用時間を意識すると、WEBの閲覧中に関係ない話題につられて寄り道することがもったいなくなる。筆者的にはそれは結構な良い効果であった。
REGZA Tablet AT703についてのレビュー一覧