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道具をうまく使う ~雑誌を電子化してみた~
当ブログ「ファイリングは捨てることと見つけたり」は、2015年4月6日から新しいURL「http://blogs.itmedia.co.jp/jun_nohara/」 に移動しました。引き続きご愛読ください。
決まりがあり、決まりを守りやすくするための道具があり、守ろうという意識があって初めてファイリングというシステムが正常に動きだします。(詳しくはこちらをご覧ください)
一番大切なのは意識なのですが、良い道具をうまく使うことで意識を高く維持することができるわけです。
今回は、雑誌の電子化に挑戦してみました。
【日々増え続ける情報をどう持ち歩く?】
私は通勤に1時間半以上かかけています。ただ、幸いにして行きも帰りも座ることができます。
私はこの時間の多くを読書に充てています。(いつのまにか寝ていることもありますが、それはまぁ置いておきましょう)
今日は何の本を読むか?たいてい朝の気分で選ぶのですが、朝は時間もないし、朝と帰りでは気分が違うことも多く、いざ読む段になって、ちょっとこれ、読む気しないな、なんてこともあるわけです。
読みそうな本は全部持って行って、その瞬間の気分で本を読めたら...。
こんなわがままを聞いてくれるのが、電子書籍です。
最近は、iPadやキンドルなどの影響もあり、電子書籍がにわかに流行りだしているようです。書店でも、電子書籍に関するものが増えて来ましたね。
もし、連続読み取り装置(ADF)付きのスキャナーがお近くにあるなら、最も手軽に電子書籍を作る方法は、買った本をそうしたスキャナーで取り込む方法ではないでしょうか。
私は幸いにも会社の机に自分用のスキャナー、PFUのスキャンスナップがあります。ずっとやってみたいと思いつつ、なかなか取り組んでいなかった雑誌の全ページスキャンに、今回チャレンジしてみました。
【ターゲットは毎週増え続けるビジネス誌】
私はあるビジネス誌を定期購読しています。
カッコイイですねぇ。
実は、自発的に定期購読したのではなくて、父が年間購読をプレゼントしてくれたんですけどね。
これ、毎週届くんですが、号によっては見たい記事がなくて、すぐ読み終わってしまうときもあります。先週号を持って来れば良かったな...、なんて思うわけです。
しかし、そんなときに備えていつも2冊も3冊も持ち歩くわけにも行きません。読む本がなくなってしまえば、ボケっとしているか、興味のない記事を読むか、既に読んだ記事を見返すかしかありません。
しょうがない、寝るか。
しかし、なぜかそういう時に限って眠くもならなかったりする。不思議なものです。
【雑誌1冊をスキャン、結果は?】
では、軽量にたくさんの本を持ち歩く手っ取り早い方法、電子化にチャレンジです。
雑誌の綴じてある方に定規を当ててカッターで切り落とします。定規を持つ手に力を入れ、カッターの方は軽く持って、何度も引いて切るのがコツです。
だいたい10回くらいでホチキス留め部分が切り落とせます。
問題は1冊丸ごとスキャンスナップで読み取れるかどうかだったのですが、結果的には問題なく読み取ることができました。所要時間は5分程度です。今回2冊チャレンジしてみましたが、2冊ともノーミスでスキャンを完了しました。やってみると、思ったより簡単でした。
ページ数は、1冊だと100ページ以上ありますが、広告ページなどを削除すると(これが出来るのがまたいい)、85ページくらいになります。最もファイルサイズが小さくなる設定でスキャンして何と10MB。2GBのマイクロSDでも3年分以上の雑誌が収まる計算です。
ちなみに、このような方法で電子書籍を自作することを、「自炊」と呼ぶそうです。
さあ、パソコンで表示してみましょう。
全く問題なく読めますね。
さて、これをどう活用するか、です。まだ、トライしたばかりなので運用方法は確定していませんが、読みやすさに関しては紙のままの方が圧倒的に便利ですので、最新号は解体せずに持つことにして、次の号が来て「捨ててもいいかな」というところでスキャンするのが良さそうですね。どうせ捨てるのだから、解体しても惜しくありません。
スキャンしたデータはマイクロSDに入れて持ち歩き、前述のように思いがけず読むものがなくなってしまった時や、ふと前の号を振り返りたいときに利用するスタイルになるかと思います。
細かな文字は読まず、ページをぱらぱらめくるだけでも結構いいものです。一度読んでいるので、こうして画面で俯瞰するだけで、記憶がよみがえってきます。
【長期的な視野に立って、検証が必要】
ただし、PCの起動にはそれなりに待たされる上、決して読みやすいとは言えません。スキャンスナップを使えばかなり便利にスキャンできますが、それでも解体した後、5分程度の時間をかけてスキャンする必要があります。
また、この行為によって本来捨てていたはずの雑誌が、今度はPDFデータとして残ります。やはりこれは管理しなければなりません。作るにも、読むにも、管理するにも新たに工数が増えてしまうのです。その分、他にかけていた時間を削ることになるわけです。
買った雑誌をスキャンして100でも200でも電子書籍として持ち歩ける。デジタルライフを満喫しているように感じるかもしれませんが、そこだけに目を向けてはいけません。本当に価値があるかどうかは、シビアに検証しなければいけないと思います。
後でいつでも読めるんだから、と思って、緊張感なく読むようになってしまっても意味がありません。捨てるからこそ真剣に読む、ということもあるのです。
ただ、新たな選択肢としては、検討するに値する方法であることは間違いないでしょう。スキャナーでの読み取りも実にスムーズでしたし、読むものがなくなる、それしかないから仕方なしに読む、と言ったことはかなり回避できると期待できます。
デジタルになったPDFデータの管理方法さえ確立させれば、ため込んでいた雑誌を一掃できるかもしれません。うまく使えば、スキャナーは大変強い味方になってくれそうです。