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誠 Biz.ID編集部を卒業します

»2014年3月16日
気ままに編集後記

誠 Biz.ID編集部を卒業します

上口 翔子

元Web編集者が、気になったイベントや話題を気まぐれで更新していきます。

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 誠 Biz.ID編集部の上口です。今回はブログのお題「卒業」について。

 4月に部署異動をすることになりました。次はまったく別業界のテーマを扱う編集部に行くので、私の中では1つの卒業です。誠 Biz.IDは約2年半、これまでの社会人生活の中で最も長く在籍していた部署で、「働くとは何か」をたくさん考え、悩み、そして楽しい貴重な経験をさせてもらいました。ただただ、感謝の気持ちでいっぱいです。

●部署異動でやる気を失いそうになったら......

 この2年半で一番印象に残っている記事は? と聞かれたら、まず思いつくのは昨年末に取材をさせてもらったシェイク吉田社長のインタビューです。

「君はボールを投げたら拾ってくるワンコ。それだけ」――ぶら下がり社員を変えたひと言

 『ぶら下がり社員』企画と呼んでいるのですが、自分がアイティメディアに入社してからこれまでのことを正直に書きました。仕事は70%、辞めないけれど頑張らない。そんなぶら下がり状態だった当時と、そこからどう立ち直ったのかを綴っています。ただ、この記事に出ていることだけがすべてではなく、構成上、省略していることもあります。良い意味でも悪い意味でも、現時点で私が書ける集大成の記事だったように思います。

 ちなみにこの記事の取材から数日後、吉田社長に「またいつ、ぶら下がり状態になってしまうか不安です」と相談をしたことがありました。当時、仕事へのやる気に満ちていた一方、なぜか気が張り詰めていて(変にカリカリしていました......)いつ燃え尽きてもおかしくない、と感じていたのです。そんなときに返ってきたのが、以下の言葉です。

 「またぶら下がったとしても、一度ぶら下がりから立ち直った人は、きっとまた立ち直れる。そしてそれは前回よりも早いタイミングで」

 図で表すとこんな感じです。

work00.jpg

 やる気を出す方法は、これも取材で教わったことですが、「自分がどうすれば幸せか、本来やりたかったことをよく考えること」。人は本来、何かしらの目的があって今の環境にいるはずです。初めからやる気がない人はそうそういません。それはおそらく、部署が変わってもできることが含まれているはずです。もしも本当にないのなら、思い切って別の道を選ぶ選択もないわけではありません。4月から新しい環境で不安に思っている人がいたら、ぜひ自分が本来やりたかったことを思い出してみることをおすすめします。

 そのほか、自分が執筆したもので印象に残っている記事をピックアップしてみました。

堀江貴文氏が初めて語った本心、働く人に伝えたいこと
→努力し続ける大切さを学びました。成功の裏には、なかなか見えてこないすごい努力があるのです。そして、小さなことでもコツコツとやり続けること。最近身をもって感じていますが、継続は本当に難しいですね......。

新入社員の即戦力化に時間がかかるワケ――スマホ世代に有効な教育とは?
→反転教育を新入社員教育にも取り入れてみましょう、という話でした。人事担当者にはぜひ読んでもらいたいです。

進むクラウド会計の世界、全自動「freee」は中小企業の救世主となるか
→クラウド会計freeeが今度どのような成長を遂げていくか、楽しみです。freeeには中小企業向けクラウド市場を盛り上げていってくれる、何かワクワクするものを感じます。

ロディアやモレスキンばかりじゃつまらない、「自分専用のツバメノート」を目指したTPN
→誠 Biz.IDに来て最初に書いた長文記事です。この取材以降、すっかり「Thinking Power Notebook」(ツバメノート)のファンになり、愛用しています。

目指すはNo.1経済メディア――「NewsPicks」はスマホ時代の情報紙アプリ
→多くのニュースアプリが出てくる中で、NewsPicksは今後確実に伸びるアプリの1つだと見ています。最近はGunosyがKDDIから出資を受け、大幅リニューアル&テレビCMを打つなど、大衆向けにリーチをしようとチャレンジしている印象。SmartNewsやAntennaもそうですが、誠 Biz.IDはそうしたスマートフォンアプリからの流入が確実に増えていて、各社の動向から目が離せません。

「LINE電話」「LINE ビジネスコネクト」ってどんなもの?
→LINEが好きで、何度か取材に行かせてもらいました。今後も急成長していくのだろうな、とユーザーの1人として注目していきたいです。


●仕事のおかげで会えた方々

 アイティメディアの「編集記者」という仕事は、その名の通り、編集職と記者職を半々くらいの割合でしています。編集部によっては9割が編集職、ないしはその逆、というところもありますが、誠 Biz.IDの場合はだいたい半々くらいでした。上記で紹介した記事は、記者職として自分で取材をして書いたものです。

 編集職のほうは、私の場合は筆者さん、そして編集部のおかげが大きいのですが、こちらでもいくつか思い出に残っている仕事をさせてもらいましたので紹介します。

安倍政権のTOEFL必修化は必要? 「日本人の9割に英語はいらない」著者、元マイクロソフト社長成毛眞氏に聞く

元マイクロソフト社長の成毛眞氏――「もう10年来MS製品は使っていない」

→最近の若者は英語学習にランニング、イベント参加など、とにかく熱心な勉強家が多い。でも、それで成功者になれるのはほんの一握り。TEDを見て勉強することがゴールではなく、好奇心に基づいて誰も思い付かないようなことを考え、それに執着し実現したものが勝つ、といった話が印象的でした。

・連載『企業家に聞く
→上記の記事をきっかけに始まった連載です。こちらは4月以降、Business Media 誠の本誌で引き継がれますので、お楽しみに!

Googleの成功はモンテッソーリ教育なしには語れない

→モンテッソーリ教育とは(1)子どもが自分でやりたい「仕事」を選び、(2)その「仕事」に没頭する、(3)自分で納得いくまでやりきる――。という教育法。主に幼児教育の世界で用いられるそうですが、素直さを忘れずに取り組み続ける姿勢があれば、ビジネスの世界でも応用できるなと思いました。

「会社に行きたくない」はなぜ起こる? 職場にあるさまざまな問題

→つらい出来事が起きたとき、「事実」と「解釈」を分ける大切さを教わりました。

英語話せない、プログラムも書けない――Facebookファン1000万越え「Tokyo Otaku Mode」はどうやって起業を成功させたのか?

→タイトルが長すぎたかな、と反省していますが、日本のアニメ文化を世界に発信している注目の「Tokyo Otaku Mode」。元アイティメディアの先輩に紹介してもらい、取材が実現しました。

娘と父のマジトーク(その2)「お父さんがキモい理由を説明するね」

→シックス・アパート 中山順司さんが、娘さんに「クラスメイトに告白されたんだ」と言われたのをキッカケに始まった連載『父と娘の週末トーク』。中山さんもそうですが、娘さんの考え方がとてもしっかりしていて、毎回編集をしながら関心していました。個人的に好きな回は「娘と父のマジトーク(その3) 『モンスターズ・ユニバーシティを見て、小説家になりたいと思った』」です。夢や目標を失いかけたら、読み返したいなと思います。

 この連載は社内外を含め、大変多くの方に読んでもらいました。現在書籍化の話が進んでいて、春~夏くらいに出版予定です。何らかの形で告知をする予定ですので、ぜひお楽しみに!

 画像は連載終了後、中山さんの娘さんが送ってくれた手紙。小説を書いているのですが、文章だけでなく絵もお上手です!

work01.jpg

 まだまだ書き切れないことが多くありますが、誠 Biz.IDでの経験はどれもこの部署でしかできなかった貴重な経験でした。

 今はまだ急に転職をするような気分で落ち着きませんが、数カ月後、「ああ、何かよく分かんないけど、あのとき不安に思っていたな。今は大丈夫だし、異動してよかった」と言えたらいいなと思います。そして、現編集部で学んだことを次のMONOist編集部で生かしつつ、同じ失敗は繰り返さないことで、お世話になった人&これからお世話になる人に感謝の気持ちを伝えていきたいです。

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